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2011年度 掲載 

広島女学院大学 

生活科学部 生活デザイン・情報学科

小林ゼミ

小林ゼミ

小林ゼミの4年生の研究テーマは、まちづくりから公共施設、集合住宅の設計まで、と幅広い。学生たちは、1級建築士として現場の一線で活躍していた小林先生の指導のもと、自分たちの思いを形にしようと制作に取り組んでいる。

※2012年度から広島女学院大学の学部学科編成が変わり、小林ゼミは人間生活学部 生活デザイン・建築学科のゼミになります。
 (新しい学部学科編成については 学部・学科・コース一覧 を参照してください)

全国入賞を果たした先輩に続こう!
1級建築士を目指せる女子大。ゼミでも新しい提案が生まれている。

 広島女学院大学は「1級建築士の受験資格を取得できる女子大」として知られていた。(要実務経験2年)そして、昨年はついに、建築を学ぶ学生たちの目標のひとつである「全国学生卒業設計コンクール」(日本建築家協会主催)で入賞を果たした。そんな先輩たちに続こうと、小林ゼミのみんなは、全国コンクールへの切符を手にするために来年3月の「広島8大学卒業設計展」での入賞を目指して、卒業設計に取り組んでいる。
 今日は、制作途中の作品を持ち寄り、プレゼンテーションをするのだとか。みんなどんな作品を作ってるんだろう? 早速、聞いてみよう!


川本さんの提案!
高齢者を囲んで交流が広がる空間

 机一面を覆うほどの大きな建築模型!川本さんの作品は、街で見かけた光景から発想した。「歩道脇のベンチに数人のお年寄りが腰掛けているんだけど、みんな違う方向を向いてバラバラ。なんだか寂しいな、って」
 そこで取り組んだのが「知らない人同士が気軽に交流できる空間。ゲートボールや野菜づくりを楽しんだり、ゆったりと腰かけておしゃべりしたり。お年寄りが1日中楽しく過ごせるような場所を作りたいんです」
 しかし、進めるうちにどんどんイメージが膨らんできて、子どもたちや若者のためのスペースも設けて、異なる世代の人とも交流を図れるよう工夫を重ねている。
 今日は先生からいくつかのアドバイスをもらった。人を回遊させるため、歩きやすさを考慮した地面の素材。建物に設置するベンチの向きや高さ・・・。なるほど、こうした細部の積み重ねが、世界に一つだけの建築を作っていくんだろうな。

高城さんの提案!
建物まるごと遊び場計画

 地面から浮きあがっているような不思議な建物は何?
 「子どもたちの遊び場です。建物まるごとを遊びの道具にしてしまおうと。たとえば、地上から屋上にかけてのスロープで駆けっこしたり、屋上では鬼ごっこをしたり。遊具がなくても、子どもたち自身で遊びを作れるような、想像力をかきたてる設計をめざしています」
 へー、面白そう!と、他のゼミ生も集まってきた。
 そこへ「子どもの身長に対して、このスロープはキツイんじゃないかな?」と先生から指摘が入った。うーん、確かに子どもの目線で見るとそうかもしれない。
 「入口はもっと緩やかなスロープにして、降り口の傾斜には角度をつけて滑り台にすると面白いかも!」
 先生の提案を皮切りに、能地さんや他のゼミ生から新しいアイデアが次々と飛び出してくる。
 設計って、"一人で黙々"というイメージだったけど、みんなからの刺激が大きな力になるんだね。

能地さんの提案!
故郷の商店街ににぎわいを取り戻す

 能地さんの地元は山口県岩国市だ。「中学・高校時代は岩国駅から通っていました。でも、最近はシャッターが閉まったままの店もあって、淋しいんです。思い出の詰まった場所だから、いつまでも活気ある町であってほしい」と、岩国駅前の商店街の“まちづくり”を考案中だ。
 「単に新しい建物を作っただけでは、活性化にはつながりませんよね。まちは「人」が中心。まず、人のにぎわいを取り戻さないと。そのために、商店街に人を呼び込むための空間を作り、たくさんの人が交流できる場所にしたいと思っています」。
 もちろん、人の流れを変えるのは簡単なことではない。でも、淋しいと思っているだけじゃなく、前向きに何かを提案できるなんて、ステキだ。「建築」という技術は、好きな場所を変えていけるだけのパワーを持っているんだよね。

森さんの提案!
居住者のコミュニケーションをデザイン

 森さんのテーマは「集合住宅」だ。
 「めざしているのは、家族の中や居住者同士の間で自然と会話が生まれる集合住宅です」
 現在は、リビングから屋外に向けたスペースの模型を制作している。リビングに面した段差の高さによって、人の動きがどう変わるのかを検証しようとしているところだという。
 「腰掛けられる程度の段差があれば、そこに人が集まって、コミュニケーションが生まれるんじゃないかと考えたのですが、実際にはどうか、どの程度の段差で人が集まりやすいか、といったことを、少しずつ高さを変えながらイメージを固めています」。
 これから階段などの共有部分の設計も待っている、という森さん。完成までは長い道のりだけど、最後まで自分のこだわりを貫いてほしいな。

中村さんの提案!
日本独自の"くつろぎ空間"

 畳は日本独特の床材だ。「文化」といってもいいかもしれない。でも、最近は和室がない家も多いという。
 そこで中村さんは、現代の生活に馴染む、新しい畳スペースを提案しようとしている。 先日は、若者の畳に対するイメージを調べようと学内で意識調査をしたという。

 「畳のスペースは、時にはリビングになったり、寝室になったり・・・、と多目的に活用できます。でも、フローリングの生活に慣れた人に畳を提案するには、工夫が必要じゃないかと思うんです。たとえば、リビングの一角を高くして、畳をベースにした空間を作るとか。いま、いろいろなプランを考案中です」。
 フローリングの上に置いた大きなクッションでくつろいだり、畳の上でゴロンと横になったり。気分によって使い分けられる和と洋が融合した空間は、心地いい時間を与えてくれそうだ。

「小林先生のアドバイスは理論的で分かりやすい。私たちがへこんだ時は、必ずフォローもしてくれます!」ゼミ生たちの先生に対する信頼は絶大だ。

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