「中学校でブラスバンド部に入るまで、音楽とは縁がなかったんですよ」。高校時代からピアノを始める。プライベートで良く聴くのは「1日中耳にしていても飽きない」というモーツァルトの名曲。
●緒方先生のプロフィール
福岡県生まれ。エリザベト音楽大学 器楽学科ホルン専攻卒業。広島大学大学院 教育学研究科 博士課程前期修了。広島県公立中学校、広島大学付属小学校の教諭を経て、2008年より比治山大学 現代文化学部に着任。専門は音楽教育学。

読譜力について書かれた共著『読譜力という基礎的能力−小・中学校を一貫して育む学力−』。

得意なリコーダーも披露してくれた先生。リズミカルな動きから、音楽を全身で楽しむ様子が伝わってくる。
| 緒方先生の担当科目 |
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音楽T・U
幼児音楽演習T・U
音楽科教育法
など |
譜面を読むチカラ
「あなたは譜面を読めますか?」
と緒方先生。急な質問にちょっとびっくり。簡単な譜面なら読めますけど・・・。
「それはラッキーですよ! 日本人の多くは読譜力がないんですから」
音楽は、楽譜が読めるようになると、もっと楽しむことができる。先生は、そう確信している。だから、音楽の授業で子どもたちにしっかりと「楽譜を読む力」をトレーニングできる先生を育てたいと思っている。
だけどほら、音楽の時間って、歌ったり、演奏したりするのが楽しくてみんなルンルンだったような。楽譜の勉強なんて子どもたちはつまらないんじゃないかな。
「そうですね。最初から楽譜とにらめっこしていたんじゃ面白くないでしょう。音楽の苦手な子どももいますし。だから、まずは音楽を好きになれるように、そんな工夫から始めるといい」
歌うことを好きになる方法
小・中学校教諭だった26年間、緒方先生もたくさん工夫してきた。
「小学校で教えていた時、“調子はずれ”の子どもに出会いました。合唱中、ビクビクしながら小声で歌ったり、口パクしたりする子に、どう教えたらいいか。これが大きなテーマでした」
そんな子どもたちには、まず喋ることと歌うことの区別をつけさせる。それから声域の使い分けを教える。これらを根気よく続けると、音程を外さないで歌えるようになるんだって。
中学校の先生だったときには、思春期で歌うことを恥ずかしがる生徒たちを合唱に巻き込むためにいろいろやってみた。
「歌謡曲をたくさん授業で歌ったり、クラス対抗の歌合戦をしたりしました。生徒たちは、毎日歌い続けることで、次第に『歌う喜び』に気付いていったんです。生徒が一体となって歌う姿は今思い出しても、うん、すばらしかったですね!」
音楽表現をしたいという願望は、どんな子どもの心にもあるはずだと先生は言う。それをうまく引き出すために、歌う雰囲気を作ったり、生徒を評価したりすることが大事なんだ。

楽譜を見るとコードネームが浮かぶため、自然に左手の伴奏がつく。「これは教員時代に身に付けた特技です」
「もっと上手に」をかなえてくれる読譜力
歌う喜びを知ったら、もっと上手に歌いたいと思うし、演奏する楽しみを知ったら、もっと上手に演奏したいと思うだろう。そのときに、楽譜が読めなかったらつまずいてしまう。そこで「読譜力」が必要になってくる。
「私は中学時代、ブラスバンド部に入っていました。でも楽譜が読めなくて、最初は耳コピーでホルンを吹いていたんです。けれど、部活でトレーニングして読譜力がつくと、譜面を見ただけで曲のイメージがつかめるようになって、それから演奏がより楽しくなりました」
へぇ! 楽譜が読めたら、ワンランク上の音楽が楽しめるようになるのかぁ。
「たくさんの子どもたちに、その楽しさを知ってほしいですね」
そのためには、子どもたちに楽譜が読めるように教えてくれる先生がいないとね。緒方先生のもとで学ぶ学生さんたち、期待してますよ!